歯並びの健康/2010-2011

歯並びの健康/2010-2011

歯並びの健康/2010-2011
「矯正治療は歯を真つ直ぐに並べるだけでなく、美しい笑顔をつくり健康にも大きなメリットを与えます」と話す、ほてい矯正歯科クリニックの柴口竜也先生に、歯列矯正の重要性や最新矯正装置デーモンシステム」について伺いました。
◆歯列矯正で口元の状態を改善
歯列矯正は歯をキレイに並べることですが、歯の状態だけを変化させる治療ではなく、実は口元の状態を改善することでもあるのです。たとえば、歯は真つ直ぐキレイに並んでいるが、口元が飛び出している人は口が閉じないことが多く、半開き状態の場合があります。この状態では口呼吸が優勢になり、喉の奥の粘膜は乾燥して炎症が起き、免疫力も低下してしまいます。矯正治療で歯が後退すると、ロが閉じやすくなり、鼻呼吸ができるようになります。口元をスッキりさせることは、見た目の改善だけでなく、健康にとっても大きなメリットがあるのです。
◆最新の矯正治療デーモンシステム
スツキリした口元から生まれる笑顔は魅力的です。その魅力は歯の見え具合に影響し、口元の幅が広がる、口角が上がる、上の歯が6~8本しっかり見えるのが、美しい歯並びといわれています。歯並びを治す場合は真つ直ぐ並べるだけでなく、歯をどこまで見せるか、歯列の幅がどう影響するかを考慮します。当院でも積極的に採用している矯正装置「デーモンシステム」は、歯列が自然と横に拡がるため、口を開けばしっかりと歯が見える明るい笑顔になります。ワイヤーで締め付けないから、歯への負荷が軽いため痛みが少なく、摩擦力が従来の600分の1。形状記憶合金のワイヤーが元に戻ろうとする力で歯を最適な位置に移動させるため、治療期聞が2~4割短縮されます。
◆歯への自信が素敵な笑顔に
白い歯がこぼれる笑顔は、周りの人にとって気分のいいものですが、実は自分自身にも素晴らしい影響を与えているのです。笑顔は脳に快感を与え、ストレス解消や免疫力アップの効果をもたらすからです。でも、歯並びが悪い人は歯列不正がコンプレックスとなり、笑顔が苦手になりがちです。このような人でも、矯正治療中に歯並びの改善が実感でき出すと、徐々に笑顔が増えてきます。装置が外れた日には、今までで最高と思えるような笑顔を見せてくださいます。自分の歯に自信を持ち、素晴らしい笑顔で暮らしを楽しんでいただきたいですね。
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矯正をする際、従来であれば「エラスティック」と呼ばれる矯正専用の輪ゴムや、細い金属線でしっかりと縛り付けていました。しかし、最新の矯正治療システムの「クリアスナップシステム」は、ワイヤーを強く押さえることがないので。"ゆるゆる"の状態で装着されています。ですから、歯の移動時に、ブラケットとワイヤーの間に生じてしまう摩擦力を極めて少なくできます。つまり、弱い矯正力だから、少ない痛みで、また早く矯正できるのです。さらに装置の白さにこだわりましたので、目立ちにくく、治療に抵抗感が無くなりました。痛みが少なくカラダにやさしい、さらに見えにくくなった「クリアナップシステム」だと、無理なく矯正を続けることができそうですね。
(写真1)
lnVuとクリアスナップを組み合わせて使用することで審美性を上げる
(写真2)
「クリアスナッフ+lnVu」
歯とワイヤをつなげるクリアスナップが白いため、ワイヤーが一部隠れる
(写真3)
「クリアスナップ+lnVu+ホワイトワイヤー」
さらに審美性を上げるホワイトワイヤーを使用
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従来の矯正は、表から矯正装置が見えてしまうのが難点でした。しかし、裏側矯正なら表から見えないので、人目を気にせず矯正治療が可能です。リンガル矯正とも呼ばれるこの治療法は、歯の裏側に「ブラケット」という金属装置を接着し、そのブラケットにワイヤーを通して歯を動かします。装置には様々ですが、当院では快適性で優れる「クリッピーL」と「STBリンガル」の2タイプを採用しています。従来のこれらの装置では、違和感が大きく、話しづらいといった欠点があり、慣れるのに時聞がかかりましたが、最新装置では、ブラケット部分が小さくなり、欠点が改善されつつあります。さらに細いワイヤーで、摩擦力がほとんどかからないように改良されました。弱い力でも歯が動くため、痛みが少なく、治療期間の短縮も可能です。今まで、矯正をためらっていた方などもこの機会に、ご相談下さい。
(写真)
写真を見ると、「クリッピーL」、「STBリンガル」ともに、従来リンガル装置に比べて小さくなっているのがよく分かります。
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理想的な矯正としては、約2年前後の期間を要します。そのため、矯正装置を常に装着することに抵抗を感じ、踏み切れない方が多いのではないでしょうか。しかし、そんな方にも方法はあります。矯正治療の第一ステップではまず、上下全ての歯の凸凹を治します。その期間が約6ヶ月。つまり、6ヶ月前後あれば、一番気になる前歯の歯並びが、ある程度真つ直ぐになっている可能性があります。イベントの2年も前から治療をスター卜できなくても、6ヶ月あれば大事なイベント直前に装置をいったん外すことで、気持ちよくイベントを迎えることができるのです。そして再度、装着することで、最終的に理想の歯並びを叶えることが可能になります。もちろん、歯の裏側からおこなう見えない矯正なら、いったん外す必要はありません。気になる方は、この機会にぜひご相談ください。
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患者さんが来院される動機は様々ですが、その中でも多いのが、①乱ぐい歯(歯が重なるなど不揃いな状態)、②出っ歯、③悪い噛み合わせの3つです。乱ぐい歯・出っ歯は、前歯に起こるため、見た目がコンプレックスとなり、来院されることが多く、矯正のきっかけを大別すると、「見た目の悪さ」と、「噛み合わせの悪さ」の2つと言えます。このように患者さん自身は、動機として2つを区別されているかもしれませんが、実は、「見た目の悪い不正咬合」があると、100%噛み合わせにも問題があるのです。「見た目の悪さ」と「噛み合わせの悪さ」はほぼ等しいと言っても過言ではありません。つまり矯正歯科とは、歯並びの見た目を治すのと同時に、悪い噛み合わせを治すところなのです。正しい矯正治療は必ず健康増進のために役立っているのです。
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みなさんの中には矯正治療というと、「歯を抜くのでは?」と思われる方も多いのではないでしょうか。しかし、できれば歯は抜かずに、歯並びを治したいですよね。子どもの矯正治療となるとなおさらです。そこで今回は、矯正治療の専門院、ほてい矯正歯科千里クリニックの柴口先生に子どもの矯正治療についてお話をお聞きしました。
◆歯を抜かずに顎を広げる
歯並びの不正は、歯と顎の大きさのバランスが崩れたことに起因しますので、顎の拡大ができれば、歯を抜かずに矯正できる可能性が高まります。顎の拡大は、主に成長期の子どもに期待でき、「可撤式(かてっしき)拡大床」と「固定式拡大装置」があります。
◆取り外し可能な可撤式拡大床
一般で、「床(しよう)矯正」と呼ばれているものです。最近、マスコミで取り上げられることが多いため、最新の
矯正治療と思われるかもしれませんが、最も古くからある矯正治療の一つです。取り外しできることが最大の利点で、気軽に行えます。ただし、自由に取り外せる分、どうしても子ども任せになりがちで、確実性に劣ります。また、就寝
時のみの使用と思われているかもしれませんが、ほとんどの場合、昼間の使用も必要です。
◆確実性の高い固定式拡大装置
次に固定式拡大装置ですが、歯科用接着剤で歯に直接固定するので、自らで取り外しできません。外すのは、来院の際の装置調整時のみです。常時、口の中で固定するので、効果は確実です。拡大量に個人差はあるかもしれませんが、ほとんどの方に拡大効果が期待できます。固定式装置というと、何かかわいそうな感じがするかもしれませんが、慣れるのが早く、いずれ違和感もなくなります。専門性が高く、矯正医が好んで使用する装置です。当院では、拡大が必要な場合に第一選択の装置として使用しています。
◆矯正をはじめるベストタイミング
さて、開始時期ですが、上下顎前歯が生えそろった、小学校中学年以降が望ましいと思われます。なぜなら前歯が乳歯から永久歯へと交換する小学校低学年までは、自然な成長が期待できるからです。それより早期からの治療では、過
剰治療になる可能性があり、本格矯正に移行した場合に、逆に治療期間が長くなることが危慎されます。自然な成長が期待できなくなっても、ほぽ確実に期待できる固定装置だからこそ、小学校中学年からで十分なのです。ただし、全ての乳歯が永久歯ヘ交換してからでは、拡大が期待できないこともありますので、あまり待ちすぎてもいけま
せん。また、永久歯への交換時期は個人差があり、小学校低学年から開始する場合ります。
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歯並びの不正の原因は、遺伝的原因と環境的原因に分けられます。ですが、大抵の不正校合はこの二つが組み合わさって起こっています。実際に治療する場合には、これらの原因を考慮し、除去できる原因であれば治療に先立って取り除くか、矯正治療中に平行して除去します。例えば、鼻炎により口が常に「ぽかん」と聞いているせいで、口の中から舌に歯が押されて受け口や出っ歯になっている場合は、同時に耳鼻咽喉科での治療を行うこともあります。除去できる原因を放置することは、治療期聞が延びてしまうばかりか、矯正治療後の後戻りの原因にもなります。また、遺伝的な原因は、骨の大きさなどでコントロールできるので、悪影響の出やすい思春期の発育前に対処する必要があります。歯を抜かなくても済むようにするためにも、小学生半ばという比較的早期からの治療開始をお勧めです。
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日本では、八重歯はかわいいとする傾向がみられます。しかし、左右対称のものなど完璧なものを「美」とする欧米では八重歯は吸血鬼の歯といって嫌われています。では、健康面から考えるとどうでしょうか。当然ですが、歯にはそれぞれ役割があり、美よりも機能が優先されます。奥歯は上下の動きには強いですが、横の動きには弱いため、横の動きを支える犬歯(八重歯となっている歯)が通常の役割を果たしていないと、奥歯を傷める原因となります。正しく機能的な歯並びとは、上下顎とも左右対称です。仮に八重歯が左右対称的であっても、下顎とは調和できていないので、機能的ではありません。尖った先端も同じです。正しく機能すると、食事や歯ぎしりで先端は丸くなっていくものだからです。以上のことから、歯列矯正は美容目的だけでなく、見た目を考慮しながら機能を最大限に追求した治療と言えます。歯がそれぞれの機能を果たしているということは、見た目にも美しく、健康につながっていくのです。
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矯正後に完全に戻ることはほとんどありませんが、ある程度は戻ることがあります。だからこそ、治療と並行して戻らないための対策をとる必要があります。①原因を考慮すること、②無理をせず、体の適応範囲内の治療をすることです。①は例えば、歯列不正の原因が、鼻咽喉疾患や、舌突出癖という口腔に関する悪習慣が関係している場合。原因を放置しておくと、元に戻るのは当然です。そこで、原因を除去しながらの治療が必要になります。他に、遺伝的要素が原因の場合は、遺伝の影響が大きくなる思春期前に治療をはじめることで、後戻りを抑えます。次に、②については非抜歯治療が挙げられます。非抜歯は大切ですが、非抜歯にこだわりすぎて限界を超えて歯列を拡大すると、口唇・頬からの力の方が大きくなり、歯は内側ヘ押しやられ、元の位置に戻ってしまいます。不正歯列ゃ、治療中の体の反応を見定め、正しい診断のできる矯正専門医のもとで治療を進めていくことが大切です。
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子どもの矯正治療開始時期に関しては、幼稚園から始めるなど、様々な考え方がありますが、私自身は、できるだけ非抜歯で治療したいという思いから、乳歯の半分が永久歯に交換する時期(小学校半ば)からの治療をお勧めする場合が多いです。歯列・顎の拡大を行い、歯を並べるためのスペースを作るためです。しかし、歯列不正が軽度の場合には、全てが永久歯にかわる時期(小学生の終わり)など、可能な限り治療開始を遅らせるのが良いと思います。開始時期が早いほど、早く終わるという可能性は少なく、ほとんどの場合、永久歯に生え変わった中学生以降に本格的治療を受ける必要があり、早期に予防をしていても全ての永久歯がキレイに生える確率はかなり低いからです。いつの時点から始めても、終了時期が同じなら、早く始めれば始めるほど治療期間が長くなる可能性が高く、小学校で矯正を終了することは少ないのです。だからこそ気になった時点で、まずは専門医に相談し、最適な治療時期を見極めていくことが重要です。
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最近では、一般的によく知られている「非抜歯矯正」。みなさんは、「不適切な非抜歯矯正」と「適切な非抜歯矯正」があるのをご存知でしょうか?「何が何でも非抜歯矯正」というような、不適切な非抜歯矯正は、出っ歯になるなど、様々な不具合をもたらします。「適切な非抜歯矯正」とは、あらゆる角度から非抜歯の可能性を検討し、あらゆる治療法を駆使して、可能な限り歯を抜かずに行う矯正を指すのであって、単に歯を抜かないというものではありません。そしてその結果は、機能的で健康的である必要があります。そのような結果を得られない場合のみ、抜歯を行います。やむを得ず抜歯する場合でも、健康上不利かなく、利得がある必要があります。非抜歯矯正にのみにこだわるのではなく、適切な矯正を行える矯正の専門医にご相談されることをおすすめします。
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歯にはそれぞれ役目が決まっており、ない歯があると機能的に問題が起こります。また、当然ながら見た目にも不利です。乳歯が欠如することは希ですが、永久歯の欠如はよく起こります。日本小児歯科学会の調査でも、10人に1人の割合で永久歯が欠如していることが分かっています。永久歯が欠如すると、その部分の生え変わりが起こらないため、乳歯が脱落せず、残存したままになります。その場合、歯の欠如に気づかないことも。また、乳歯が残らない場合では、上下の歯の数が合わないことで、出っ歯になるケースなどがあります。歯の欠如に関しては、欠如部分のスペースの確保など、その部分をしっかりと管理をしてもらうことが大切です。対処法としては、様々な方法がありますが、そのどれもが矯正に関わる治療法なので、できれば矯正医に相談されることをおすすめします。
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最近、歯列矯正をしたのに、歯並びが治らないといって、他の医院にセカンドオピニオンを求められるケースが増えているようです。当院にも、そのような相談が寄せられています。費用も高額なため、患者さんとしては、まさか歯並びが治らないことがあるとは夢にも思っていないはずです。矯正医が患者さんの歯列不正を正しく診断できるようになるには、何年もの経験や、知識が必要です。さらに、実際の治療では、知識に裏づけられた技術が必須です。しかし、そうではない場合、難しい症例と分からずに治療をスタートさせてしまうと、トラブルになることも少なくありません。「予定していた期間を大幅に過ぎても治らない」、「どこで噛んでいいのかわからない」、「口元が飛び出して、口が閉じられない」等のトラブルがその例です。このようなトラブルに遭わないようにするには、複数件の歯科医院で相談するなど、患者さんご自身が賢くドクターを選んでいただく必要があると思われます。
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「1本だけ飛び出している歯を引っ込めたい」とか、「前歯の真ん中にあるスペースを閉じたいなど、目立つ箇所だけの部分矯正治療を希望される患者さんは、少なくありません。部分的に歯を動かすことは易しいと思われるかもしれませんが、むしろ難しい場合が多くあります。単に歯を動かすだけなら簡単ですが、その結果、動かしたくない歯まで動いてしまうと失敗です。実は、動かす技術よりも、動かさない技術の方が難しいのです。歯を動かすためにかけた負荷による反作用で他の歯が動くと困るので、反作用を複数の歯に分散させ、反作用のかかる部位に、固定装置を着ける必要かあります。安全で、確実に治療したいという思いから、矯正専門医院では部分矯正よりも、全体矯正を選択することの方が多いようです。もちろん、不正歯列の程度が軽く、簡単な部分矯正もありますから、費用的にも期間的にも患者さんに優しいのなら、部分矯正を選択する場合もあります。そのためには、症例の難易度を正確に診断できるドクターを選ぶことが重要と言えるでしょう。